前世の世界へ、誘導してもらっているうちから早くも小高い丘の上に建つ、大きなお屋敷のイメージが浮かんできました。
しかし、最初に足をつけたその場所・・・
そこは、石畳でできた街中の広場でした。
私は、8~9才くらいの男の子です。
家は居心地が悪くて、1人で 町に出てきて 時間を持て余しています。
家にいたくない。。。
~ セラピストさんの誘導で、家に戻りました ~
名前はチャールズ。
大きなお屋敷に住んでいて、家の跡継ぎとして育てられています。
長いテーブルの一番向こうに、父が座っています。
威厳のある顔つきで、冷たい表情をしています。
父の側には、意地悪な顔をした3人のおばさんが並んで座っています。
その中でも、一番年上のおばさんが、すごい形相で私を睨みつけています。
私に対する、強い憎悪が伝わってきます。(今世での○○の姿と重なりました)
父には、奥さんが何人かいて、子供もたくさんいます。
このおばさん達は、父の奥さんたちです。
正妻であった私の母は、私が幼い頃にいなくなりました。
父は、家庭や子供達については、関心がないけれど、父にとって私は、自分の後を継ぐ子供なので必要な存在のようです。
そのせいで、まだ幼かった私は、おばさん達の嫌がらせを受け、大人のドロドロした感情に傷つき、孤独で寂しい人間に育っていきました。
年月が流れて、成人になった私は結婚しました。
妻は心の優しい、穏やかな人です。
私のことをよく理解してくれて、懸命に尽くしてくれます。
年老いた父から、地位と財産を受け継いだ私は長い間、家に居座っていたおばさん達を、この屋敷から追い出すことができました。
これでやっと幸せになれる!
ずっと望んでいた幸せな生活、心休まる穏やかな日々。
しかし・・・、ようやく訪れた幸せな暮らしの中で私は、おばさん達のことばかりを思い出すようになっていました。
どうして私が、あんなことをされなければいけなかったのか!
あんな風に言われなければならなかったのか!
幾度となく込み上げてくる怒り
自分の気持ちをコントロールできず怒りの感情から逃れられない
絶対に許せない・・・
私は過去の出来事に囚われて、今の幸せを感じることができなくなっていました。
生きがいも楽しみも何もなく、毎日ただ働いて生きているだけ。
何の為に生きているんだろう・・・ 幸せになりたかっただけなのに・・・
自分の殻に閉じこもった私は、誰にも心を開くことができず、いつも寄り添ってくれていた妻との間にも、いつしか心の溝ができていきました。
長い年月が過ぎた頃には、年老いた夫婦はもう、ほとんど顔を合わせることもなくなっていました。
そして訪れた、人生最期のときベッドで横になっている私のそばに、息子がいます。
私は、子供たちに愛情を注ぐことが出来なかったのに息子だけは、私のことをずっと慕ってくれていたのか・・・
気づかなかった。気づいてやれなかった。
最後の最後に、人間の深い愛情を感じることができた。
感謝している。ありがとう。
その思いを胸に抱きながら、その身体から離れていきました。
~ 前世の人生から学んだこと ~
過去の出来事に囚われず、自分の幸せをつかむために人を憎む気持ちを、断ち切って生きていかなきゃいけなかった。
それができなかった。人を憎む気持ちがあると、自分が幸せになれない。
(自然とあふれてくる思いを言葉にしながら、私も同じだ・・と思いました)
~ 前世の自分から、今の私へのメッセージ ~
自分が乗り越えられなかった問題を、今度は乗り越えてほしい
そのために、また同じ環境を選んできたのだから。
~ マスターからのメッセージ ~
過去のことばかりに目を向けちゃいけない
されたことは辛かっただろうけど、でもそこばかりにこだわらず、前に目を向けていかなきゃいけない。
自分の意識を前に向けなさい。
<ヒプノの後>
ヒプノを受けた直後の私は、納得ができませんでした。
” どうしてこんな前世が出てきたんだろう・・・”
” ○○とのことなんて、別にどうでもいいのに・・・(ふれたくない)”
前世を知ったからといって、マスターの言葉を聞いたからといって、それらは、すぐに受け入れられるものではありませんでした。
ただ、私の中に ”憎しみ” という感情があるということ
人を憎む気持ちが私の中にある・・・、私は人を憎んでいる・・・
これは衝撃的でした。 自分の中にそんな感情があるとは、認めたくありませんでした。
ですが、この時に受けたヒプノの変化は、私の気づかないところで起きていました。
私の意識とは別に、潜在意識下ではいろいろな変化が起こっていたのでしょう。
この時を機に、長年がんじがらめに絡まっていた固い紐が、ゆっくりと緩みはじめていきました。
そして、1年が過ぎた頃のある日
まるでその瞬間が訪れるのを待っていたかのように、小さな偶然の出来事が起こり、約20年余り、ずっと囚われてきた私の憎しみの感情は、最後は、たった一言の些細な会話で、無理なく自然に解放されていきました。
潜在意識は、私が知りたいことではなく、その時の私にとって、最も必要なことを感じさせてくれました。
私が自らの人生を進んでいくために、まず必要だったこと
それは、心の奥底にある、憎しみの感情と向き合っていくことだったのです。
そしてそれはつまり・・・、憎しみの感情を解放していく時期が訪れつつあるということを示してくれていたのかもしれません。
このときのヒプノも、前回のヒプノと同様に私に大きな影響と変化を与えてくれた、大切なものになりました。
最後までお読み下さりありがとうございました。