幼稚園の教室の中
水色の制服を着て、胸には黄色いチューリップの名札。
3才くらいかな、小さなわたし。
図工の時間で、イスに座り
クレヨンで画用紙に絵をかいたり、ハサミでなにかの形に切ったり、のりでぺたぺた貼ったり
みんな、それぞれ自由に作ってる
小さな私も、ごきげんに
赤色の色紙を手に取り、ハサミで切ってお花を作ってる。
先生は1人1人のところへ、まわってきて
話かけてくれたり、ほめてくれたり、時々手伝ってくれたり。
あ、先生。私のところにもやってきた。
先生は、いつも私の手を変えようとする。
左手でハサミを持っている私の手を、右手で持たせようとする。
なんで???
他の子にはしないのに、なんで?
なんで、私だけダメなの?
それまで楽しく作ってたのに、
途中で手を止められたことで、つまんなくなる
(先生の気持ちを感じてみる)
この子は、左利きだから右利きに直してあげなきゃいけない
大人になってからだと直すのがむずかしい、今が大事な時期。
お箸とえんぴつは、だんだん右手を使うようになってきて、自分もうれしい。
楽しく遊んでいるところに、かわいそうだと思うけど・・
母親からも頼まれていることなので、私の一存では決められない。
そこで小さな自分にかわって、大人の自分が
その子がのびのびと自由に遊べるように、先生やお母さんを説得していき~
そして再び、幼稚園のシーン
図工の時間、作るのたのしいなぁ~♪
左手をつかってても、先生こっちこない~♪ 何も言わない~♪
でも、本当かな?
先生、もしかしたら気づいてないだけかな?
と思いついた小さな自分。
先生に見えるように
わざと、左手でハサミを持ってみる。
わざと、左手でクレヨンを持ち、書いてみる。
でも先生、こっちこない。
こっちみて笑ってる。
すきなようにできる~♪
誰にもじゃまされない~♪
たのしいな~♪
“好きなように遊びたい”
その願いが叶って、満足した小さな自分は
美しい光に包まれて、大人の私の中へ戻りました。