インナーチャイルドとは
インナーチャイルドという言葉を聞いたことがありますか?
インナーチャイルドとは、
幼い頃に満たされなかった記憶や感情をずっと抱えたまま、
あなたの心の中に存在している、傷ついたままの小さな自分のことです。
小さな子どもは、ほんのちょっとしたことでも傷つきます。
例えば、小学校から帰ってきた子どもが、その日学校であった出来事をお母さんに話しようとしても、
母親が「今は忙しいからあっちに行っていなさい」といった返事をいつもしていたとします。
これが大人であれば、「お母さん今は忙しいんだな」と理解することができるでしょう。
お母さんのほうも家事や夕食の準備をすませてから、子どもの話を聞いてあげるつもりだったかもしれません。
だけどまだ小さな子どもは
「もっと一緒にお話したいのに・・・お母さんは私のことがスキじゃないのかな」「お母さんは私のことなんてどうでもいいんだ」「わたしは愛されていない」「わたしには愛される価値がないんだ」などといった感じに、無意識のうちに、ネガティブな思い込みを作ってしまうことがあります。
あるいは「お母さんは忙しそうだから困らせちゃダメだ」と遠慮して、我慢する子どももいるでしょう。
(※実際に私がセッションをさせて頂くケースでも、こういった事例は多いです)
このように親の立場としては、ほんの些細な気持ちで言った言葉や態度であっても
小さな子どもの心には、”否定された” ”拒絶された” あるいは ”無視された” と感じてしまい
子ども時代の傷ついた記憶として、潜在意識の中にしっかりと刻み込まれていくのです。
インナーチャイルドが傷ついたままだと、家族関係や対人関係、恋愛、仕事、心の問題、身体の不調、
そしてこれからの自分の人生にも大きな影響を与えてきます。
「自分のやりたいことが分からない」
「自分の言いたいことが言えない」
「人よりも自分は劣っていると感じている」
「漠然とした不安や孤独を感じている」
「いつもイライラしている」
「恋愛の失敗をくりかえしてしまう」
など、このように傷ついたインナーチャイルドは
無意識のうちに、大人になった自分の行動に制限をかけ、人生に大きな影響を与えてくるのです。
ですが、あなたが ”本来の自分らしさを取り戻していく”その鍵をにぎっているのも、インナーチャイルドなのです。
インナーチャイルドを癒す
インナーチャイルド療法では、
ずっと癒されないまま放置されていた潜在意識下のインナーチャイルドに、イメージの中で大人である現在の自分が逢いに行きます。
その子の気持ちに寄り添い、話を聞いてあげたりして、大人のあなたが愛情や安らぎを与えてあげます。
あなたの愛を受け取り、心が満たされ、安心したインナーチャイルドは癒され、そしてあなた自身に統合されていきます。それは同時に、あなた自身も癒されていくことを意味します。
インナーチャイルドが癒されるとあなたの中のエネルギーが統合されて、安定したエネルギーに変わっていきます。
自分の軸が整い、対人関係や起きる出来事に対しても柔軟になり、考え方も自由になっていきます。
親や他の誰かに癒してもらうこと・愛してもらうことを期待するのではなく、大人の自分がインナーチャイルドを癒していくのです。
自分を癒せるのは自分だけ。自分が自分を見捨ててはいけません。
傷ついたインナーチャイルドを癒せるのは、大人のあなただけです。
あなたの愛を受け取り癒されたインナーチャイルドは、あなたの人生において最大の味方となることでしょう。
インナーチャイルドとアダルトチルドレン
傷ついたインナーチャイルドを抱えて、生き辛さを感じている人をアダルトチルドレンと言います。
アダルトチルドレンとは、
家庭環境や親子関係、そのほか子どもの成長に悪影響を与える機能不全家族の中で育ったために、子ども時代を”こどもらしく”生きることができなかった人のことです。
機能不全の家庭に育つと、自分の意見を尊重してもらえなかったり、自分の感情を出すことが許されなかったり、大人のように振舞わなければいけなかったり、自由が奪われていたり・・・と子どもらしい純粋な欲求が満たしてもらえないまま育つことになります。
アダルトチルドレンは心に深く傷を負ったまま、癒されることなく大人になっているので、 表面上は普通に生活を送っていても、どこか心にぽっかりと穴が空いていような感覚だったり、漠然とした不安や怖さを日常的に感じています。
アダルトチルドレンの人の特徴として
- 無気力、なにもやる気になれない
- 小さなことでも、すぐ傷ついてしまう
- 自分がキライ
- いつも孤独感や疎外感を感じている
- 警戒心が強い
- 強い自己否定感
- 心が落ち着ける場所がない
- 罪悪感がある
- 親を許せない
- 失敗したことを何度も繰り返し思い出して落ち込む
- 人と比べて劣等感を抱きやすい
- 人から褒められるのが苦手
- 白黒つけたがる、極端な考え方
など、自分や他者に対して批判的だったり、人との距離感がうまくつかめないため、友好的な人間関係を築くのがむずかしい傾向があるのも特徴です。
また、生きている意味や自分の存在価値を見出せず
「自分は存在する価値がないのではないか」という思いを持っている方も多いのではないでしょうか。
こういった気持ちを心に抱えながら生きるのは本当に苦しいことでしょう。
アダルトチルドレンは、病気とか精神的に弱い人ではありません。
子ども時代の辛くて苦しくて傷ついた記憶が残っているだけ、その時期をなんとか生き抜くために身につけた個性なのです。
日本人は90%以上がアダルトチルドレンであるという報告もあります。
どのような家庭環境で育ったとしても基本的には子ども時代に、辛い経験や悲しい経験をしたことがない人はおらず、皆さん何かしらの思いを抱えておられます。
幼少期の家庭環境が、子どもの精神面においての成長にとても大きな影響を与えるのです。
インナーチャイルド療法や年齢退行療法は、アダルトチルドレンの回復法として有効な手法です。
(年齢退行療法についての記事はこちら⇒年齢退行療法について)
インナーチャイルド療法はこのような方におすすめ
- 自分を大切にすることができない
- ひとに影響されやすく、自分の本当の気持ちがよくわからない
- 自分をいつも否定してしまう
- 悲しみや怒りなどの感情を表に出せない
- 何かが自分には欠けていると思う
- 自分の良いところ、好きなところがわからない
- 1人になるのが怖い、嫌い
- 自分のことを知りたい
- インナーチャイルドと仲良くなりたい
- 自分を愛したい
インナーチャイルド療法よくあるご質問
Q. インナーチャイルドはどんな姿をしているの?
インナーチャイルドは、子どもの頃のあなたの感情をイメージしやすいように子どもに見立てたものです。
その姿は、子ども時代の頃の自分の姿のままということが多いですが、中には男の子だったり、カエルやうさぎなどの動物、シャドー(影)のような存在として表れることもあります。
傷ついたインナーチャイルドの表情は、無表情だったり、怒っていたり、すねていたり、無理して頑張って笑おうとしているチャイルドもいます。
しかし、セラピーでその姿をみせてくれたということは、そのときの傷ついた気持ちを癒してほしいからこそ。大人の自分がインナーチャイルドの気持ちに寄り添い、コミュニケーションを取ってあげることでその表情は次第に笑顔に変わっていきます。
Q. インナーチャイルド療法だと過去の辛かった出来事を思い出さなくてもいいの?
インナーチャイルド療法では、過去の辛かった出来事やトラウマそのものを思い出していくことはありません。子どもの頃に体験した出来事に付随する感情やエネルギーを癒していくことが目的です。
インナーチャイルド(内なる自分)と今の自分との間に心の絆をつくることにより、自分への信頼を取り戻していくことできるでしょう。
インナーチャイルドを癒せば癒すほど、私たちは心の自由を取り戻していきます。
あなたが、”何かに迷ったとき” ”何か引っかかるような出来事が起きたとき” そんなときには自分の心の声、本当の気持ちが感じられるようになってきます。
Q. インナーチャイルドは何人もいるのですか?
インナーチャイルドは個人差はありますが、1人や2人ではなく皆さん何人かのインナーチャイルドがいます。
セラピーを受けて、そのとき出てきてくれたインナーチャイルドが癒されていくと、他のチャイルドも”私も癒されたい”という気持ちになり、その姿を見せてくることがあります。
トラウマの数だけ、傷ついたインナーチャイルドがいると言えますが、ですが全てのインナーチャイルドを癒さなければならないということはありません。
ある程度、自分が癒されはじめると”もう大丈夫”と思える瞬間が訪れることでしょう。
Q. セラピーが終わった後、自分でなにかできることってありますか?
インナーチャイルドを癒したあとは、しばらくの間、日常生活でのセルフケアとしてその体験を思い出してあげることをおすすめしております。
セラピー中に体験したように、イメージの中でインナーチャイルドを呼び出してみて、その子が笑顔になるように、大人のあなたが愛情のこもった言葉をかけてあげたり、一緒に楽しい時間を過ごしてあげましょう。
詳しくはセッションの後に、個別にお伝えさせて頂いておりますが、このページの最後に【インナーチャイルドに会いにいくイメージワーク】をご紹介しておりますので、そちらもご活用ください。
インナーチャイルドに会いにいくイメージワーク
セラピー後、お家でできるインナーチャイルドのケアとして、または「セッションを受ける前にまずは自分でやってみたい」という方のために、ご自宅で簡単にできるインナーチャイルド・ワークをご紹介いたしますね。
※もし途中で辛い気持ちになったら、むりをしないで中断してくださいね。
——–
では、イメージの中であなたのインナーチャイルドに会いにいきましょう。
軽く目を閉じてゆったりと深呼吸をしていきましょう。
鼻から息を吸って、口からゆっくりと吐いていきます。
息を吸うときにはエネルギーに満ちたキレイな光が身体の中に入ってくるようなイメージをしてみましょう。
息を吐くときには身体の中のいらないもの、緊張や不安を外に吐き出すようなイメージをしてみましょう。
そして、きれいな高原のお花畑の中に立っているところをイメージしていきましょう。
そのお花畑はあなたがこれまでに行ったことのある場所でもいいし、想像上の場所でもいいです。
さあ、お花畑の中に足をつけて、少しリラックスしていきましょう。
そこに咲いているキレイなお花を眺めてみたり、心地のよいそよ風を肌で感じてみましょう。
ゆったりとリラックスできたら、お花畑の中を自由に歩いてみましょう。
するとすぐそこに一本の大きな木があります。その木に向かって歩いていきましょう。
大きな木に近づくと、そこにひとりの女の子が座っています。
それは今、あなたとコミュニケーションをとる必要があるインナーチャイルドです。
あなたのペースでゆっくりと近づいていきましょう。
インナーチャイルドはどんな姿をしていますか?
どんな表情をしていますか?
年令は、だいたい何才くらいですか?
※見えなくても大丈夫。なんとなくこんな感じかな?というのでもOKです。なんとな~く感じてみましょう。
インナーチャイルドに声をかけてみましょう。
「こんにちは」とか「隣に座ってもいい?」などと声をかけて、大人になった自分が会いにきたことを伝えましょう。
すると、その子はどんな反応をしていますか?
大人のあなたからインナーチャイルドが安心できるように必要な言葉をかけてあげましょう。
たとえば
”これまでよく頑張ってきたね”
”ごめんね”
”もう大丈夫だからね”
”ずっとそばにいるよ”
”あなたはそのままでいいんだよ”
すると、その子はどんな反応をしていますか?
どんなことをあなたに伝えてきていますか?
インナーチャイルドが何か答えてくれたら「あなたの気持ちを教えてくれてありがとう」と伝えてあげましょう。
※インナーチャイルドと対話をしているとき、もしあなたの中で判断や批判の気持ちがわいてきたとしても、それはそっと横においておいて、今はインナーチャイルドの気持ちをただただ受け止めてあげましょう。
十分に会話ができたら、「あなたを抱きしめてもいい?」と聞いてみましょう。
インナーチャイルドからOKがでたら、やさしく抱きしめてあげましょう。
このときにもし、インナーチャイルドが嫌がったり、ためらったりしてたら「また今度ね、ありがとう」と伝えて、その子の気持ちを受け止めてあげましょう。
今はまだ、その子は準備ができてないだけなので、どうかがっかりしないでくださいね。
「今日はあなたに会えたよかった、ありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。
最後に、インナーチャイルドと一緒にお花畑の中心に立ちましょう。
美しい癒しの光が空から降り注いできて、大人のあなたとインナーチャイルドを包み込んでいくイメージをしましょう。
上手にイメージができなくてもOKです。そうなっているつもりで大丈夫です。
もし必要なら、ゆっくりと時間をかけてみてくださいね。
あなたとインナーチャイルドが光でいっぱいに満たされたら、インナーチャイルドを本来戻るべき場所・・・
胸の中へ戻してあげましょう。
大人のあなたの胸の中で、インナーチャイルドを感じるとどんな気持ちになりますか?
穏やかであたたかい気持ちを感じているなら、その感覚をハートから体全身に広げていきましょう。
もし辛い感情を感じているのであれば、自分の胸に手を当ててやさしくあたためてあげましょう。
目覚める準備ができたら、ゆったりと深呼吸をして
心の中で数を1~5まで数えて、あなたのペースで目を覚ましていきましょう。
——–
いかがでしたか?
インナーチャイルドワークは簡単にできるケースもありますが
傷ついたインナーチャイルドを抱えている場合は、なかなかむずかしいです。
これまで書籍や瞑想などで、インナーチャイルドワークをやったけれどよくわからなかった方、インナーチャイルドを感じられたけどネガティブな感情やモヤモヤした気持ちが残っている気がする、という方は、ぜひ一度ご相談ください(^^)/
多くの方がインナーチャイルドを癒して、本来の自分らしさを取り戻していくことを願っております。
あなたの心が軽くなりますように。
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